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痛風患者が痛風発作を起こしたときには、あわてず、患者を寝かせて安静にさせます。
そして、鎮痛薬を飲ませ、経過を観察し、激痛がおさまったら、早急に専門医の診察を受けさせます。

安静にして消化のよいものを食べる

痛風の発作は、突然起こるのが特徴ですが、厳密にいうと、その直前にわずかな前兆があります。
足の指など、発作の起こる関節にむずむずとした違和感を感じるのです。

このとき、既に医師から鎮痛薬をもらっていれば、それを飲む事で発作を避けることができます。
しかし、初めての発作のときや、前兆が分からなかったときは、自分で対処するしかありません。

最も大切なのは、何もせずに安静にしていることです。

痛みをまぎらわせるために歩き回ったり、むやみに患部をマッサージするのは厳禁です。
できれば仕事を休み、安静にしていてください。

トイレに行くなど、どうしても動かなければならないときは、できるだけ患部に負担をかけないように、注意深く体を動かすようにします。

発作を起こしているときは、食べるものにも注意が必要です。

肉類や魚類、脂肪は食べないで、ご飯や麺類、パンなどの盗塁を中心とした、消化のよい食品を食べましょう。

水分を十分に補給して(1日に2ℓ以上)、尿酸を排泄しやすくすることが大切です。
その場合、甘いジュース類などは避けます。

痛風の発作が起こったときの処置を整理し、薬がどこにあるかを明示するなど、あわてずに対応できる環境にしておきます。
それには、家族にも、痛風について説明しておくことが必要です。

痛風発作は、ある日突然起こる

痛風の発作は、大半の人が、ある日突然、足の親指の付け根に激痛が起こることから始まります。
発作は、夜中から明け方に起こることが多く、発作の激痛のピークは24時間以内におさまりますが、痛みは普通2~3日続きます。
人によっては1日で終わってしまうこともあり、それほど痛みはなかった、という人もあるようです。
治療しなくても、通常1~2週間以内に症状はおさまります。

激痛が一時的なものなので、これで治ったと思い込んで治療を受けずに放置しておくと、高尿酸の症状がさらに悪化し、痛風の合併症を招くことになります。

そこで、痛風発作の特徴を整理しておきます。

痛風の発作が起こったときは、できるだけ早く専門医の診察を受けて下さい。

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痛風発作のポイント

痛風の発作が起こったときは、あわてず、冷静に対処してください。

●痛風発作は、ほとんどが男性に起こり、女性にはまれです。
日本人では、痛風発作を起こす人のほとんどは男性です。
女性が足の親指の付け根に痛みを感じるときは、その大半は外反母趾など、ほかの原因によるものです。

女性の場合、更年期を過ぎると痛風になる人が増えてきます

●発作を起こす年齢は、30~50代が中心です。
痛風は年々、若い人にも増えてきてきます。
過去には20代の人が発症することはまれで、大半は30~50代の男性に起こりましたが、細菌は、女性や若い人に増えてきました。
年齢のピークは、以前は50代でしたが、最近では30代となっています。

●1回目の発作は、6~7割の人が足の親指の付け根部分に起こります
痛風発作の代表的な症状は関節部分の激しい痛みですが、その大半は足の親指の付け根に起こります。
そのほか、足の甲、ひざやくるぶしの関節、まれにひじや手指の関節にあらわれることもあります。

●痛風の発作は、突然起こります
痛風の発作は、関節がむずむずするなどの予兆がある場合もありますが、ある日突然起こることが多く見られます。

●痛風発作には、激しい痛みが伴います
発作時の激痛は、痛風の代表的な症状です。
痛みのピークは24時間以内にきて、患部が熱をもって赤く腫れます。

●痛風発作が起こるのは、1カ所の関節だけです
痛風の発作が、2カ所以上の関節にあらわれることはほとんどなく、多くの場合、1カ所のみの関節で、7~8割は足の親指の付け根の関節に起こります。

●発作の痛みは、長くても10日以内におさまります
痛風発作の激痛は、2~3日でおさまるのが普通で、長くても10日以内で痛みはおさまります。
そのあと、しばらく発作はありません。
そのために、痛風の知識のない人は、治ったと思い込んで放置してしまいます。

最初に発作が起こったときには、必ず専門医の診察を受けて下さい。

●2回目の痛風発作は、忘れたころにやってきます
痛風の発作が起こる間隔は、痛風の進行状態によって異なりますが、初めての発作から2回目の発作まで、約6ヶ月から1年の間隔があるのが普通です。

その後、発作を繰り返しながら、治療を受けずに放置しておくと、発作を起こしている時間が長くなり、やがて関節が破壊されていきます。

発作がたびたび起こるのは、痛風の病状が悪化している証拠です。
早急に専門医の治療を受ける必要があります。

●痛風発作が起きたら、患部を冷やします
痛風の発作が起きたときは、炎症を抑えるために、発作が起きた関節を安静に保ち、患部を冷やして下さい。

湿布薬があれば最適ですが、ない場合は水や氷でも構いません。
患部を心臓より高い位置に上げた姿勢で冷やすと、鎮痛効果がアップします。

ただし、冷やしすぎると炎症が悪化することもあるので、注意が必要です。

いうまでもありませんが、「お酒でも飲んで痛みをまぎらわそう」などという考えは厳禁です。
アルコールはさらに炎症を悪化させ、発作を長引かせます。

初めて痛風の発作を経験すると、激しい痛みに驚いて、発作を起こした患部をマッサージする人がいます。
しかし、できる限り患部を安静にして、ただちに専門医の診察を受けましょう。

激痛の発作がおさまるまでは十分な量の鎮痛薬で炎症を抑え、発作がおさまってから、尿酸を下げる薬を使います。

痛風発作の特徴
1回目の発作は、6~7割の人が親指の付け根に起こる
痛風の発作は2カ所以上の関節にあらわれることはほとんどない
発作の激痛のピークは1日以内
発作の痛みは長くても10日以内におさまる
30~50代の男性に起こりやすい
発作は、足の甲、くるぶしの関節、親指の付け根に起こる
痛風の発作が起きたら、患部を冷やす
2回目の発作は忘れたころにやってくる

病気と遺伝の関係は、まだ全ては分かっていません。
しかし、病気になるやすい体質は遺伝するので、病気になりにくい生活習慣と環境を整えておくことが大切です。

家族に痛風患者がいるときは要注意

昔から、痛風は遺伝すると考えられてきました。
まだ詳しいことは分かっていませんが、いくつかの遺伝子を含む領域が痛風を起こしやすくしているという報告があります。

欧米では、痛風が遺伝している家系が確認されているようですが、日本では、明らかに遺伝が原因と考えられる痛風は、患者全体の約8%といわれています。
実際、何世代にもわたって痛風を発病している家族もありますが、遺伝だけでなく、生活習慣も関係している可能性があります。

痛風が遺伝する、と言われる背景には、家族が同じ生活環境のもとで長く暮らすことから、一人ひとりが痛風になる共通の因子を抱え込みやすい、ということがあります。

つまり、痛風の原因となりやすい食事を続けていれば、家族全員の痛風発症率が高くなり、遺伝的素因との区別を難しくしています。

したがって、痛風歴のある、なしに関わらず、家族に痛風患者がいる30歳以上の男性は、定期的に尿酸値の検査を受けることをおすすめします。

現在、生活習慣病と遺伝子との関係の研究が進んでいます。
やがて、どの遺伝子に異常があらわれると痛風になる、というメカニズムが解明されることでしょう。

誰でも、いきなり痛風になるわけではありません。
尿酸の排泄が滞り、尿酸が増える過程があります。
そこで、早めに検査して治療を開始すれば、痛風を防ぐことができます。

無症候性高尿酸血症が増えている

高尿酸血症になると、痛風関節炎や痛風結節などの発作が起こるようになります。

しかし、人によっては尿酸値が異常に高く、尿酸が関節部にかなり蓄積された状態でも、痛風の発作や症状がまったく出ないことがあります。

このように自覚症状がほとんどあらわれない高尿酸血症のことを「無症候性高尿酸血症」といい、近年、このタイプの患者が急増しています。

無症候性高尿酸血症の恐ろしい点は、痛みなどの自覚症状がほとんどないために病気の発見が送れることで、そのために治療の開始も遅れ、病気が進んで他の臓器に合併症を起こすこともあります。

我慢強い臓器

腎臓は、人間の臓器の中でも、肝臓と並んで「我慢強い臓器」といわれます。

左右二つあるので、過剰な尿酸が原因で機能が半減しても、自覚症状がなかなかあらわれません。

腎臓障害の自覚症状があらわれたときには、病気はほとんど進行したあとで、腎不全や尿毒症などの重症の状態になっていることが多いのです。

高尿酸血症を早期に発見する

高尿酸血症が続くと、腎障害が起こってくる可能性があります。

無症候製高尿酸血症を予防し、腎臓の障害を起こさないためには、健康診断や人間ドックなどで尿酸値を定期的に検査し、高尿酸血症を早期に発見することが大切です。

検査の結果、尿酸値が高い場合は、自覚症状がなくても医師の治療を受け、尿酸値を下げる努力をしましょう。
特に30歳を過ぎた男性は、定期的に尿酸値をチェックするようにしてください。

また、無症候性高尿酸血症の人が激しい運動を行うと、筋肉からキサンチンという尿酸になる成分が多量い排泄されて急激に尿酸値が高くなり、高尿酸による症状を悪化させることがあるので注意が必要です。

私たちは、食事から栄養を摂取し、それを体内で代謝して吸収するとともに、老廃物を排泄して生きています。
このメカニズムが不摂生や廊下などによって乱れると、生活習慣病になります。

尿酸の排泄と分解

人間は、尿酸を血内で分解して処理することができません。
そのために尿酸は、尿の中に捨てられて体外に排泄されます。

尿酸は人間の生命活動から生まれる物質なので、健康人では尿酸が正常に生産され、排泄されています。
したがって、尿酸の量の変化を観察することで、健康の度合いがチェックできます。

健康な人の体内には、常に約120mgの尿酸が蓄えられています。
これは「尿酸プール」と呼ばれています。
尿酸は、毎日、生産と排泄を繰り返し、約5割が入れ替わります。

この尿酸が出入りする動きを、プールの水に例えて説明しましょう。

体内でどんどん作られる尿酸は、プールに注がれる「給水」、尿と一緒に排泄される尿酸は「排水」にあたります。
尿酸の給水と排水の量が同じであれば、プールは常に一定量の尿酸で満たされています。

プリン体の代謝異常が尿酸を増やす

ところが、プリン体の代謝に異常が起こって尿酸が多く作られたり、尿酸がうまく排泄されなくなったりすると、尿酸はプールにどんどんたまって、やがて溢れ出します。

一般に、体内に尿酸が1500mg以上たまると、血液中の尿酸値は正常値を超える、と考えられています。

尿酸値は、血液を採取して、血液1dl中に尿酸がどれくらい(何mg)含まれているのかを調べ、数値であらわしたものです。
尿酸値は、生活習慣や環境、体質などによって個人差があります。

尿酸の正常値は、
成人男子=4.0~6.5mg/dl
成人所持=3.0~5.0mg/dl

とされており、女性のほうが男性より約25%ほど低い数値です。
これは、女性ホルモンの影響によるものとされ、更年期を過ぎると若干高くなります。

血液中の尿酸が増えて、尿酸値が異常に高くなった場合を「高尿酸血症」といいます。

尿酸値が7.0mg/dl以上になると高尿酸血症と診断されます。

排泄低下型、過剰生産型

高尿酸血症は、次の3タイプに分けられます。

①排泄低下型
日本ン腎の高尿酸血症患者では最も多いと言われてきました。
腎臓からの尿酸の排泄量が減るために、体内の尿酸の量が増えます。

②過剰生産型
尿酸の排泄機能は正常に働いているのに、生産される尿酸の量が排泄能力を超えて、体内の尿酸の量が増えてしまうものです。
体質や生活環境の影響を受けます。

③混合型
排泄低下型と過剰生産型がまじったタイプで、高尿酸血症患者の約10~20%がこのタイプです。

日本人に最も多いタイプは排泄低下型の高尿酸血症ですが、細菌は過剰生産型と診断されるケースが増えています。
これは、尿酸の排泄能力が低下しても、尿酸が過剰に作られなければ高尿酸血症にはならないのではないかとの考え方が背景にあります。

治療を始めるうえで大切なことは、この高尿酸血症の3つのタイプのうち、どのタイプにあてはまるかを知ることで、それに基づいて治療が勧められます。
高尿酸血症を引き起こす要因には、生まれもった腎臓の能力が大きく影響します。
生まれつき尿酸を排泄する能力が低い腎臓の人は、高尿酸血症になりやすいといえます。

痛風を放置すると痛風結節ができる

痛風が慢性化して、発作をたびたび起こしたり、痛風結節ができるまでに病気が進むと、尿酸が血液中に溶けきらずに、関節部にたまって結晶を作ります。

この場合、尿酸の総量が正常値の1000倍になることもあります。

なお、高尿酸血症や痛風は、原因がはっきり特定できないものが約90%を占めますが、腎障害や高血圧症、動脈硬化、糖尿病などの病気の影響で腎臓の働きが低下すると、尿酸の排泄能力も衰えるために、高尿酸血症になりやすくなります。

また、白血病や骨髄腫などの血液の病気やその治療によって尿酸が過剰になったり、排泄が低下したりすることがあります。
これらの場合は、その原因となっている病気を治療し、副作用を起こしている薬の投与を止めれば治ります。
痛風の治療を受けるときには、最初に他の治療を受けている病気や、使用している薬を全て医師に伝えることが重要です。

プリン体は、体に不要な害毒のように思われていますが、もとは遺伝子の核酸を構成している重要な物質です。
新陳代謝で古い細胞が死ぬときに核酸が分解され、プリン体は尿酸となります。

プリン体のもとは遺伝子の成分

DNAやRNAなどの遺伝子の成分である核酸は、塩基、リン酸、糖の3つの成分で構成されています。
塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、ウラシル(U)という5つの物質の組み合わせで遺伝情報を作り、伝達する役割を持っています。

この塩基配列と呼ばれる遺伝子情報がなければ、生物は存在することができません。
この中で、アデニンとグアニンを、その構造の特徴から「プリン体」と呼んでいます。
また、エネルギー源となるATPを構成しているアデノシンも、プリン体の一つです。

プリン体は、古い細胞が死ぬときに核酸が分解されて放出され、また、エネルギー源のATPがエネルギーとして消費されたあとに残され、それらが集まって尿酸となって体内に蓄積されていきます。
ですから、プリン体と呼ばれる物質は、尿酸になる前は、私たちの生命活動を根源で支える重要な物質だったのです。

また、プリン体は食品にも含まれ、特に多いのは、レバーなどの内蔵、魚、卵、貝類、ビールなどです。

食品中のプリン体は尿酸値に影響しない

以前は、プリン体を多く含む食品を食べると痛風の原因になると考えられ、プリン体の多い食品の節酒を厳しく制限していました。

しかし、その後の研究で、食べ物から体内に入るプリン体は、過剰でない限り、ほとんどが腸内で細菌によって分解されてしまうので、尿酸値の上昇への影響は、大きくない事が分かりました。
ですから、プリン体を多く含む食品を毎日食べ続けたり、一度にたくさん食べたりしない限り、極端なプリン体の食事制限指導をすることは少なくなりつつあります。

これまで、尿酸が体内で作られて排泄されるまでのメカニズムを説明してきました。

しかし、痛風になる原因は、尿酸の量の増加だけではありません。
肥満、運動の量、ストレス、退室などの要因が加わって発症します。
これには個人差があるので、日常生活での自己管理が大切です。

医学の進歩により、痛風になるメカニズムがはっきりしてきました。
食べ物に含まれるプリン体は体内で処理されることが分かってきたので、プリン体の多い食品の制限は緩和されました。

尿酸は、古い遺伝子の廃棄物

痛風を起こすのは、主に体内で過剰に作られた尿酸という物質です。
尿酸は、窒素化合物の一種で、古い細胞が分解されるときにできる廃棄物です。
体のなかで毎日作られ、単位はmg/dlで表します。

尿酸は、水の溶けにくく、固まって結晶になりやすい性質があるために、体内で大量に作られ過ぎ、うまく排泄されなくなると、血液中に溶け出したり、関節にたまるようになります。

尿酸の原料となるのは「プリン体」という低分子化合物(分子量の少ない化合物)です。
プリン体は、細胞核が分解されるときや、エネルギー源(アデノシン三リン酸、ATPと呼ばれる)が代謝される過程で老廃物として作られます。

またプリン体は、食べ物や飲み物などの食品にも含まれています。

私たちの体は、約60兆という栽培によって構成されていますが、ほとんどの細胞が、常に新しい細胞に生まれ変わることで生命が維持されています。
この生命活動の仕組みを代謝といいます。
(ただし、脳と心臓の細胞は、生まれてから死ぬまで変わりません)

一つ一つの細胞の核には、DNAとRNAという遺伝子があります。
細胞が新しく生まれ変わるときには、この遺伝子の情報を新しい遺伝子にコピーして伝えていきます。

遺伝子は、核酸という物質によってできています。

核酸は、遺伝情報を伝える重要な働きをしています。

古い細胞が分解されるときには、核酸も分解され、そのときにプリン体ができます。

プリン体は、肝臓で化学的に処理されて尿酸が合成されると、腎臓で尿と一緒になって体外に排泄されます。

プリン体と尿酸は生命活動の産物

また、プリン体は、ATPという、私たちが体を動かしたり運動をするときのエネルギー源となる物質にも含まれています。

ATPは、エネルギー源として代謝されると、ADP(アデノシン二リン酸)に分解されますが、通常は安静にしているとADPがリン基酸という物質と結合して元のATPに戻ります。
しかし、急激に、しかも大量に使われた場合は、分解されたままプリン体から尿酸に変化します。

このように尿酸とプリン体は、生命活動の過程で、核酸やATPが分解されるときに老廃物としてできる物質です。
つまり、生きている限り、尿酸は常に体内で生産され続けているのです。

なお、尿酸を分解できない動物は、人間や猿などの霊長類と、鳥類や爬虫類の一部で、ほとんどのほ乳類や魚類は、尿酸をさらに分解して排泄することができるので、痛風になることはありません。

でべそを治したい人

食生活の欧米化、肥満、運動不足、ストレスなどが原因で、痛風になる人が増えています。
生活環境の変化により、女性や若い世代にまで、痛風の発症が及ぶようになっています。

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女性も中高年になると痛風になりやすい

痛風は、男性に圧倒的に多く見られる病気で、以前は患者の99%異常が男性でした。
これは、女性の尿酸値が平均して男性のほぼ2/3しかないためで、エストロゲンなどの女性ホルモンが尿酸の発生を抑えていると考えられています。

しかし女性も、中高年になって閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌が減少するので、尿酸の量が増えます。
それでも尿酸の平均値は、男性より約1.0~1.5mg/dlも低いため、通常の場合は痛風になる心配は少ないといえるでしょう。

しかし近年、肥満やアルコール摂取量の増加などの生活習慣の悪化が、女性でも痛風になる人を増加させています。
また、腎疾患の病歴のある人や、高血圧症でサイアザイド系の利尿約を服用している人も、高尿酸血症になりやすいので注意が必要です。
定期的に尿酸値の検査をして下さい。

以前は、日本の社会は男性社会といわれ、男性は外で働き、女性は子どもを育てて家庭を守るというケースが見られました。
現在は、女性の社会進出が増え、病気についても男女差が少なくなってきています。

食生活の欧米化が、痛風の若年化を招いている

長い間、痛風は、「40代以降の中年男性がかかる病気」でした。
確かに1974年頃までは、20~30代の痛風患者数は全体の20%にも満たないものでした。
しかし近年、若い世代の痛風患者が急速に増えています。

その背景に、この十数年あまりで生活環境が大きく変わったことがあります。

第一の原因は、諸癖かつの内容の変化です。
特に若い人たちが食べるものには、動物性脂肪の多い欧米型の食品が多く、インスタント食品やファストフードを、主食といっていいほどたくさん食べる傾向です。
さらに、朝食を抜いたり、深夜に食事をとるなど、不規則な食生活が増えています。

これらの食生活の欧米化や異変が、若い世代の尿酸の産出量を増やし、痛風の発症を招いているのです。

過剰なストレスが痛風を促進させる可能性がある

次がストレスです。
ストレスといえば、日本がバブル経済で躍進していたころには、中高年の管理職の職業病のように考えられていました。
しかし現在では、20代、30代どころか、小学生までが人間関係や受験勉強などによってストレスを感じているのが現状です。

ストレスによる生活習慣の悪化、食生活の乱れによる肥満などがみられるため、今の若い世代が中高年になったときには、現在の中高年者より痛風の発症率が高くなる可能性があります。

このような食生活の変化と過剰なストレスが、若年層をむしばみ、痛風患者や痛風予備軍をつくっている可能性があります。

病気と性格の関係は、医学的に解明されていません。
ストレスの感じやすさ、ストレスに耐える力が、性格によって差があることから、ホルモンの分泌に影響している可能性があります。

痛風になりやすい性格がある

ストレスが多くの生活習慣病の原因になっていることはよく知られています。
痛風の発作も、ストレスがたまると起こりやすくなります。

ストレスを感じると、自律神経の交感神経が強く働くようになるので、心身の緊張状態が続き、エネルギーが余計に消費されます。
そのために代謝が活発になって、尿酸の産出が増えるのです。

また、ストレスが蓄積されて体調が乱れると、尿酸の排泄がうまく行われなくなって体内にたまり、尿酸の量は上昇します。

痛風患者が最も多いのは、30~50代の男性です。
この世代は、仕事や家庭においても重い責任を負っているために、常に不安や心配、悩み事などをかかえ、多くのストレスにさらされて生活をしています。
それが痛風発症の原因の一つとなっています。

したがって、痛風の原因を取り除くには、ストレスのない生活を送ることも重要ですが、現代社会においては難しいことです。
そこで、できる限り「ストレスを少なくする」ことを心がけ、痛風発作を起こすようなきっかけを極力減らすように努めることが大切です。

痛風になりやすい人は、遺伝的素因のある人、生活習慣に問題のある人、肥満の人などです。

なぜストレスによって痛風になる人が増えるのかは、まだ明らかにされていませんが、発症に関係している可能性があります。
一般に、まじめで几帳面、何事も深刻に受け止める人はストレスをためやすい、と言われています。

楽天的思考を持つ

生まれもっている性格を変えることは、なかなかできることではありませんが、頭のすみに
「悩んでも仕方のないことは、悩まない。やるべきことをやったら、あとは運を天にまかせる」
という楽天的思考を持つ事も、アルコールを飲み過ぎないなどの生活習慣の維持には重要です。

また、自分に合ったストレス解消法を身につけることも大切です。
軽いスポーツで汗を長洲、旅行に出かける、音楽を聞く、花を育てる、ジョギングをするなど、様々な解消法が考えられますが、本人が続けてできる趣味であれば何でも構いません。

とはいっても、日頃「ストレス解消法」として行われていることのなかには、好ましくないものもあります。
例えば、お酒の飲み過ぎです。
適量のアルコールは心身をリラックスさせるので、ストレス解消に有効ですが、ストレスの重圧からのがれるために深酒をしたり、やけ酒をしたりすると、かえって尿酸値を上昇させます。

そのほか、徹夜麻雀のように翌日に疲労が残る遊びや、やけ食い、ドカ食いなども、肥満や健康を害する原因となるので避けて下さい。

痛風になりやすい人の判別法

痛風患者に多い性格がある、という報告もあります。
痛風になりやすい人のチェック項目を作ると、次のようになります。

①何事にも積極的
②活動的で、行動力がある
③指導力がある
④自己主張が強い
⑤ものごとに意欲的に取り組む
⑥周囲に対して攻撃的
⑦責任感が強い
⑧有能である

しかし、こういう性格の人が必ず痛風になる、というものではありません。
チェック項目に心当たりがある人も、日頃から生活習慣をよくするように努力していれば、痛風になりにくい、というふうに受け止めて下さい。

これらのチェック項目を読むと、まじめに誠意をもって仕事をし、努力しながら生きることが、全て生活習慣病につながるような印象がありますが、何事も深刻になりすぎず、健康上手になることが大切です。

私たちの食生活は、社会が豊かになるにしたがってカロリー過多になっています。
食べ過ぎ、肥満、そして運動不足などによって、生活習慣病を招きやすくなります。

痛風になるメカニズム

痛風の発作と尿酸値の上昇に、深い関係があることは、これまでに説明してきました。
では、尿酸とはどのような物質なのでしょうか。

私たちの体は、約60兆個という膨大な数の細胞によって構成されています。
そして、ほとんどの細胞は、常に新陳代謝によって壊され、新しい細胞に生まれ変わっています。
細胞が生まれ変わるときには、なかにある遺伝子も新しく生まれかw裏増す。
尿酸は、遺伝子の成分である核酸が生まれ変わるときにできる物質です。

つまり、尿酸は、生命を維持するために行われる新陳代謝によって生まれる廃棄物、といえます。
通常、尿酸の2/3は腎臓から尿に排出され、1/3は腸管から便にまじって排泄されます。

1日にできる尿酸は約700mgで、酵素(HGPRT)などの働きによって過剰に生産されないようにコントロールされています。

また、大部分の尿酸は、古い細胞の核酸が分解されるときに合成されますが、核酸の減量であるプリン体を成分として含む食品やアルコールなどを、体内で分解する際にも作られます。

健康な人の体内にある尿酸の量は、1200mg前後です。
これは、体内で合成される尿酸や、食品から取り込まれた尿酸もすべて含んだ数字です。
そして、1200mgのうち500~1000mgが、毎日、新陳代謝によって新しくなることで、一定のバランスが保たれています。

しかし、この代謝になんらかの異常が生じると、尿酸が過剰に生産されたり、うまく排泄されなくなったりします。
その結果、尿酸がどんどん体内にたまり、血液中の尿酸値が上昇するのです。

うまく体外に排泄されなかった尿酸は、血液中に溶け込んで関節に流れ着き、そこに蓄積されます。
やがて結晶を作って、反応性の炎症が起こるようになると、痛風発作が起こるのです。

発作の激痛は、白血球が尿酸結晶を攻撃して起こる

それでは、なぜ、尿酸の結晶が痛風の発作を引き起こすのでしょうか。

関節や組織にたまった尿酸は、尿酸ナトリウムという結晶を作ります。
この結晶は体内では異物と認識されるために、排除しようと白血球が攻撃をします。
この白血球と尿酸ナトリウムの闘いが、実は痛風発作による激痛の正体なのです。

白血球は、人間の免疫機能の一つで、体内に親友した細菌やウイルスなどの有害な異物を排除したり、無毒化したりする働きをします。
関節にたまった尿酸結晶(尿酸ナトリウム)を白血球は有害な「敵」と判断し、集中的に攻撃するのです。

白血球は、色々な化学物質を放出して尿酸結晶を排除しようとしますが、関節液中の尿酸結晶は無生物なので排除することができず、逆に白血球のほうが自滅してしまいます。

痛風発作のときに感じる痛みや腫れは、白血球が放出した様々な酵素や活性酸素、プロスタグランジンといった物質が毛細血管を広げ、その部分の血流が激しくなることによって起こります。

白血球は、尿酸結晶との戦いによって大量のエネルギーを消費します。
そのときに、疲労物質である乳酸が生成されるので、血液の酸性度が上昇するのです。
しかし尿酸は、酸性液に溶けにくい性質のため、尿酸結晶の周囲にくっつくので、結晶がますます大きくなるという悪循環を招くのです。

尿酸結晶ができやすい場所は下肢の関節、特に足の親指の付け根です。
なぜこの部分に多く発症するのか、はっきりしたことは分かっていませんが、発症しやすい条件として、尿酸はタンパク質が少ないところに結晶を作りやすいということがあげられます。
また強い酸性のところ、よく動かすところ、負担がかかるところ、温度が低いところなども、尿酸結晶ができやすい場所です。